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ジャパン・デイ・オブ・ホープと福島キッズ リフレッシュキャンプ

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TNQ Writer

2011年3月11日の東日本大震災のすぐ後に、ケアンズのコミュニティーの方々が集まり、フォガティパークで、東日本大震災で被災された方支援のための大きなチャリティイベントが開催されました。

その時私は、パステルアートのブースで出店していて、こんなにたくさんの方々が日本を想いサポートしてくださっていることにとても感動しました。

そして翌年の2012年から、日本人コミュニティが中心となり、大変な想いをされている方々をサポートできたらと、みんなで力をあわせてこのイベントを「Japan Day of Hope」として引き継いでいくことになりました。

ジャパン・デイ・オブ・ホープ

Japan Day of Hope 2025

Japan Day of Hope 2015

Japan Day of Hopeのプログラム

ケアンズから福島の皆さんへのメッセージ

 

2012年はCominos Houseという場所をお借りしてイベントを開催。

いくつかのヒーリングブース、手作りのお菓子やパン、パフォーマンスと共に、とても心温まるイベントになりました。

そして、会場には入りきらないくらいのたくさんの方々がお越しくださいました。

 

翌年の2013年はより大きな会場を借りました。

パフォーマンスも出店数も大幅に増え、多くの地元の方が訪れてくださいました。日本や被災者を想う皆様の温かいお気持ちが集結したイベントになったと思います。

 

2014年からは、現在も継続して使わせていただいているエッジヒル・ステートスクールで開催しています。

 

 

そんな時、友人のアースウォーカーズさんが届けてくれた福島の中学生たちからのメッセージが私の心を大きく揺さぶりました。

福島の中学生より(2014年当時)

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中学生の今、本当は、とても楽しい時期のはずなのに、外で遊んで大丈夫か?

プールに入れるのか?お嫁に行けるのか?毎日とても心配しながら過ごしています。

全国の皆さん、私たちのことを忘れないでください。

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そんなメッセージに触れ、「ケアンズからも何かできることを!」という想いが溢れてきました。

そこで、福島でどんなことが必要とされているのかを理解するために現地を訪問しました。

現地の方々のお話を伺い、震災後は放射線の影響等で子供達が外で遊んだり砂や土を触ったりできないこと、多感な時期でもある中学生の保護に限界があること、そんな中であっても保護者の皆さんの子供達への強い愛情と期待を感じたことは私にとって大きな原動力となりました。

「震災後も不安を感じながら過ごしている子供達に、ケアンズの大自然の中でのびのびと過ごしてもらいたい」

その強い想いを胸に、チャリティ団体である「スマイル・ウィズ・キッズ」を立ち上げることになりました。

大きな志をもってスタートしてみたものの、実績も経験もない中で試行錯誤の連続で本当に大変でした。

継続できたのは賛同するたくさんの方々が活動をサポートしてくれたことが大きく、関係する皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。

 

多くの方々の温かいご協力のもと、2015年に、4人の中学生が福島からケアンズへ渡航。

「リフレッシュ・キャンプ」と名付けたプロジェクトは毎年大きくなり、2016年には6名、2017年から2019年には毎年8名の中高生をケアンズに招待することができました。

2015年参加の学生達

2016年参加の学生達

2017年参加の学生達

2018年参加の学生達

2019年参加の学生達

その後のコロナ禍ではイベントやリフレッシュキャンプの開催ができなかったため、福島の中高生とオンラインでつながりながら交流を継続。

Japan Day of Hopeでもケアンズの皆さんと共にオンラインで想いを伝えるため、メッセージとパフォーマンスを動画でお届けしました。

さらに嬉しかったのは、以前にリフレッシュキャンプに参加しケアンズを訪れた「卒業生たち」がスピーチをしてくれたことです。

おかげで海外旅行ができなかった期間中も、継続してケアンズと福島で想いを届け合う機会になりました。

そのときの動画はこちらになります。(Ryo Tsumuraさん編集)

Japan Day of Hope 2021年

Japan Day of Hope 2022年

 

2023年、コロナ前に来る予定だった子供達がやっと福島からケアンズに来ることができました。

元々は8人が参加予定でしたが、受験などのライフステージの変化もあり渡航を断念せざるをえない参加者も。

それでも高校生になった6名の子供達が来てくれました。

2024年には6名の中高生が渡豪し、ケアンズで様々な体験をして帰国しています。

2023年参加の学生達

2024年参加の学生達

これまで合計46名の福島の中高生がケアンズに来ることができました。

多くの皆様のご協力がなければ達成できなかった数字です。関係者の皆様に改めて心から感謝いたします。

ジャパンデイオブホープでの子供達のスピーチ

3年前からは、地元のイベントであるジャパン・ディ・オブ・ホープと、福島からケアンズへ訪問するリフレッシュキャンプの開催時期を合わせ、ジャパン・ディ・オブ・ホープのイベントでケアンズの皆さんが福島の子供達のスピーチを直接聞くことができるようになりました。

福島キッズ リフレッシュキャンプ ケアンズプロジェクト

ここで、福島の子供達がケアンズを訪問するプログラム、「リフレッシュキャンプ」についてご紹介します。

福島の子供達は皆、地元の海で泳いだことがないといいます。

このプログラムでは、グレートバリアリーフに浮かぶ無人島、フランクランド島を日帰りで訪問しています。

目の前に広がる海にそれはそれは嬉しそうで、感動している子供達の喜ぶ姿を見ながら、こちらも感動してしまうのでした。

フランクランド島を楽しむ学生達

フランクランド島を楽しむ学生達

フランクランド島を楽しむ学生達

フランクランド島では、スノーケリング、半潜水艦、カヤックやSUPを試したりビーチウォークにも参加。

雄大な大自然を感じながらのビュッフェランチなど1日海と島を満喫できるツアー。

福島の海で泳いだことのない子供達は、目の前に広がるグレートバリアリーフを満喫。

彼らの感動の姿をみている私たちも感動してしまいます。

エコバナナ農園

パロネラパーク

ケミカルフリー、すなわち農薬を一切使用しないのエコバナナ農園では、ファームのオーナーであるフランクさんの情熱溢れるお話に耳を傾けます。

開拓時代にスペインから来た移民、ホゼさんの足跡を辿れるパロネラパークでは、自分の夢をあきらめなかったホゼさんの想いを感じ、夢を叶える大切さや自分の夢について思いをめぐらせます。

福島キッズのお話

まささんの歴史のお話

ファーム体験

ケアンズ在住日本人の方との出逢いも、子供達にとって良い経験になっていると思います。

長崎出身でケアンズで長崎のお茶を販売されているTAKAさん、OKギフトショップ店長のまささん、有機野菜ファームのたかさん達との交流も貴重な経験です。

ケアンズの学校訪問

ケアンズの学校でのスピーチ

エスプラネードのイベントでスピーチ

さらにケアンズの学校訪問や、日本人が経営する回転寿司屋さんでの食事など、ケアンズでたくさんの方に会って多くのことを学び視野を広げながら、同時にあちこちで福島のことや、自分たちの想いをスピーチさせていただいているのでした。

福島の子供達は、ケアンズでたくさんの方々がサポートしてくださっていることに感動し、同時にいろいろな気付きを受け取っているようでした。

また、ケアンズで毎日色々な方と交流していく中で最初は人前で話すのは苦手と言っていた子供達が、帰国後は自分から人前でスピーチをしたり、学校で全学年の生徒さんの前で発表したり、学級委員やボランティア活動に参加するようになったりしています。

去年来てくれた時、人前で話すのが苦手なので、得意になりたいと言っていたけいちゃんが、帰国後、自分で手配して、全学年の生徒さん250名の前で、ケアンズのことをスピーチしたときの写真です。

 

卒業生たちがつないでくれるスマイル・ウィズ・キッズの活動

プレゼンターのセイナちゃん

スマイル・ウィズ・キッズの役員ココロちゃん

中学3年生の時に来てくれたこうきくん

一度ケアンズにきてくれた卒業生たちとも交流が続き、活動のお手伝いをしてくださるようになりました。

大学生になってジャパン・デイ・オブ・ホープでプレゼンターとして参加してくれたセイナちゃん。

ケアンズにワーキングホリデーで戻ってきて、スマイル・ウィズ・キッズの役員にもなってくれたココロちゃん。

再生可能エネルギーを開発する夢の実現に向けて大学で研究しているコウキ君は2017年の参加者で、今年のケアンズでのイベントにサポート側として参加してくれました。

私たちは、このような卒業生にも励まされながら、そして子供達にいろいろなことを教えてもらいながら、活動させていただいています。

そして、今年は15回目のジャパンディオブホープの開催となりました。

日本人コミュニティでこのイベントを引き継いてから14年、毎年いろいろなチャレンジに向き合いながら開催してきたイベント。

このような毎年開催のイベントの形としては、一旦の区切りとなることに。

 

スマイル・ウィズ・キッズの活動は、2025年で発足から11年を迎えます。

子供達が安心して、自分の想いを自由に伝える場所があることで、よりよい世界になってほしい。

福島の方々、日本の子供達がありのままの自分の感じた想いを安心して表現できる場を大切にしたい。

このような考えから、スマイル・ウィズ・キッズでは子供たちの笑顔と未来を守るためにケアンズからできることを精一杯活動しています。

これからもプロジェクトを楽しみながら続けていきたいと思っています。

一緒に何らかの形でご参加くださる方は、ぜひご連絡ください。

大自然が広がり、やさしい方々がたくさんいるケアンズは日本からたったの7時間で来られます。

ぜひ遊びにいらしてくださいね。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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